- 展覧会歴
1959年12月23日 ケラ美術協会結成
宣言 二〇世紀後半は宇宙時代だ。地球上の争いのごときは、宇宙からみれば夫婦げんかにすぎない。ましてや日本の、しかもこの中の画壇の動きに至っては、まるで大海に浮かぶ水泡のようなものだ。われわれはこのような画壇の因襲を強烈な情熱で打破せんとする。芸術家の責務とは、人間が分解され、細分化される現代にあって、あらゆるものに力限りの抵抗をすることだ。そしてその反抗を通じて、真にユニークな絵画を創造することだ。われわれは宣言する。1)あらゆるスタイルにとらわれず、真に創造的な絵画をつくること。 2)宇宙時代にふさわしい真のテーマを見いだすこと。 3)二〇歳代の熱と意気とを武器に既成の概念に戦いをいどむこと。 「ケラ美術協会」会員はその名の示すごとく、細胞が分裂し、拡大するように、この運動があらゆる人たちに賛同されることを望み、ここに宣言書を発する。 1959年12月23日 ※この無記名のマニフェストは美術評論家の木村重信が書いたものである。
1960年7月12日-7月17日 第1回展 京都市美術館 出品者 中塚弘(退会)を除く12名
1960年10月29日-11月3日 第2回展 京都藤井大丸展覧会場 出品者 松井祥太郎(退会)を除く11名
1961年2月 美術村建設開始(京都市左京区北白川琵琶町)ケラ美術の楠田信吾、中尾一郎、榊健、浜田泰介、岩田重義の5人と彫刻家の梅本昭、児玉正美。リーダー格として当時京都美大の木村重信助教授の8人がアトリエ建設=村づくりにかかわる
1961年4月11日-4月16日 第3回展 京都市美術館 出品者 西井正樹、船越修(退会)を除く9名
1961年6月16日-6月20日 第4回展 京都府ギャラリー出品者 9名
1961年8月22日-27日 三人展 土橋画廊、京都 出品者 中尾一郎、名合孝之、浜田泰介
1961年9月19日-9月24日 三人展 土橋画廊、京都 出品者 岩田重義、久保田壱重郎、野村久之
1961年10月7日-10月12日 第5回展 京都藤井大丸展覧会場 出品者 9名
1961年10月17日−10月22日 三人展 土橋画廊、京都 出品者 楠田信吾、榊健、物部隆一
1961年10月 美術村開村
1962年2月13日-2月18日 第6回展 名古屋松坂屋展覧会場 出品者 9名
1962年4月15日-4月21日 第7回展 京都市美術館 出品者 9名
1962年6月1日-5日 ケラ美術実験展 京都府ギャラリー 出品者 野村久之(不出品)を除く8名
1962年10月24日-10月29日 第8回展 京都市美術館 出品者 浜田泰介(不出品)を除く8名
1963年5月11日-5月16日 第9回京都展 京都藤井大丸展覧会場 出品者 9名
1963年5月20日-6月2日 第9回大阪展 ヌーヌ画廊、大阪 出品者 9名
1963年10月24日-10月29日 第10回展 京都市美術館 出品者 9名
1963年10月 アメリカ人コレクター ジョン・パワーズが美術村と訪れ150点におよぶ作品をその場で買い上げる。
1964年1月19日 ケラ美術協会解散 ジョン・パワーズの招聘で、4人の美術村作家(うちケラ2名)の渡米が決まる。1月19日4人の壮行会が京大楽友会館で行われ、席上で「ケラ」は解散すると発表された。